Friday, April 3, 2009

かすり

Rimg0094-1 福岡アジア美術館でやっていた「久留米絣」の展覧会に、最終日の前日ようやく駆けつけることができた。organでも商品を扱っている「gi」さんが協力していることもあり興味深く見ることが出来た。服や小物となって使われることを前提とした「かすり」だが、センス良く展示されると様子が一変してグラフィカルな面白さが楽しめる。しかし、パネル説明を読むんでみると製作工程が多く、「くくる」、「染める」、「織る」を含めて30工程ほどだと知って驚いた。それに、どんなに注意深く図案を再現しようとしても、工程の中で必然的に「ズレ」が生じるらしい。そもそも「かすり」という名前も、その「ズレ」からくる「かすれ」感が由来らしく、ガッテンしてしまった。そういわれてみると、滲んだようなズレが独特の揺らぎ感を生み出しているわけで、そここそが絣の魅力なのかもしれない。店頭でも好評なバスクシャツにしても、遠目に見ても普通のストライプとは違った微妙な線がひと味違ったクラフト味を出しているのだと思う。写真の大きなドット模様など、北欧にも通じるようなキャッチーなパターンなのだが、輪郭が霞んでいるところがいかにも日本的だ。