Thursday, April 30, 2009

ジュリー・クリスティー

Rimg0021 カナダ人女優サラ・ポーリーが監督した「Away From Her」をDVDにて鑑賞。すると、いきなりタイトルバックにJulie Christieと出る。読み間違えでなければ、「ドクトル・ジバゴ」などで有名だったイギリスの女優ジュリー・クリスティーだろうか。本編が始まり、目尻の小じわは目立つものの、ちょっと愁いを含んだ顔はまちがいなく彼女である。熱心なファンだったわけではないが、当時好きだったダーク・ボガードが出ていることもあって「Darling」を観た覚えがある。確かに美人なのだが、骨張った顔に焦点が定まらないような薄いブルーの目は、若造だった僕にはちょっと手に負えないタイプに見えた。今思えば、60年代、やはり人気があった男優ピーター・オトゥールもそうだったけど、「あっち側とこっち側を行き来してそうな」顔なのだ。それにしても、67才でこのスレンダーな体型を維持する姿勢はナイスだ。その上に年と共に表情も軟らかくなり、昔より色気がある。そんな彼女が演じるのは、自ら進んで養護施設に入所するアルツハイマーに罹った人妻。妻思いの旦那は、大学教授時代に女子学生と浮き名を流した負い目もあってか、とても献身的。やがて、妻はわざと記憶をなくしたふりをしているのではないかと疑惑を持つ旦那。いやはや、ジュリー・クリスティーってやっぱりつかみ所がないのだ。そういえば、90年代だったかイギリスのロレイン・ボーエンという女性歌手がその名も"Julie Christie"というドリーミーな曲を唄っていたことを思いだし、引っ張り出してみた。そしたらやっぱり歌詞にこうありました、”She makes me go misty”。45年連れ添っても、夫婦ってやっぱり霧の中なんだろうか。それも、悪くないかもしれないが。