Friday, January 2, 2009

案外ナイス

Rimg0324 年末にレンタルした5本のDVDの内、結局ミュージカルは1本、フレッド・アステアで満足した。1週間レンタルと言っても油断は出来ない。結局1,2本見逃したまま返却することが多いので、今年はそんなことがないように、早めに長尺ものから見ることにした。まずは、ボブ・ディランをマーティン・スコセッシがドキュメントした「No direction Home」。のっけから「ライク・ア・ローリング・ストーン」だ。バックを勤めるのはザ・バンドの前身、ザ・ホークス。丁度フォークからポップスへと転向したとされた後の1966年イギリス公演。観客からの激しいブーイングへ「How does it feel?」と呼応するディランの姿は、まるでパンクだ。それにしても、エレキを持ったことが「裏切り」に映るとは、ロック誕生前夜のオーディエンスはナイーブなもの。ジューイッシュ独特のクールさでパフォーマンスするディランはクシャクシャ頭に細いスーツとレイバンのサングラス。当時の彼はスタイリッシュだった。マリア・マルダーのミニスカート姿や、アル・クーパーが「ブロンド・オン・ブロンド」セッションにオルガンで参加した逸話なども面白かった。もう一本は、ずいぶん前に観たスタンリー・キューブリックの「バリー・リンドン」を観直すことに。圧倒的な映像美と精緻な時代考証やコスチュームの素晴らしさに、しばし時を忘れる。なんでも、当時の貴族のお洒落「付けぼくろ」の位置は、ずいぶん研究したらしい。内容は昼メロなのだが、あちこちにキューブリックの毒がまぶされていていっこうに退屈しない。バッハやシューベルト、特に主題を奏でるヘンデルの「サラバンド」もよかった。こうなると、主役がライアン・オニールってところも案外ナイスなキャスティングだったのかもしれない。写真は、今朝、ウチの愛犬がくわえて帰ってきた縫いぐるみ。おなかを押すと「コラ、会社行け!」という声がする。明日から店を開けます。今年も、よろしくお願いいたします。