Sunday, December 28, 2008

博多雑煮

Zoni 日本各地にそれぞれのお雑煮があるように、博多には「博多雑煮」と呼ばれるものがある。博多ッ子は「これを食うたら、他のは食えん!」と、自慢する(まあ、みなさん故郷の雑煮が一番美味しいと思っているわけですが)。ただ、作るのに手間暇がかかるのは確かである。生前、母が「アゴだし」というトビウオを主体にしたつゆを準備し、様々な具材をひとつひとつ別個に下ごしらえをしていた光景は、押し詰まった年末の年中行事として今でも記憶に残っている。魚は出世魚のブリ、青菜は「勝負に勝つ」という縁起を担いだカツオ菜と、いずれも商人の街だった博多のなごりなのだろうか。どちらもクセが強い具だが、アゴだしの強さとマッチしてたしかに旨い。特にカツオ菜の独特の香りとザクっとした食感は一種エキゾチックですらある。ほうれん草や三つ葉ではダメなのである。ところで、ここ2,3年来ウチでは正月前にお雑煮を食べる変な習慣がついてしまった。今年もおととい食ってしまった。駅前にある「翁堂」のつきたて餅がおいしくて、実は正月まで待てないのだ。正月は退屈で苦手なのだが、「博多雑煮」は早く食べたいのだから仕方がない。作る前に奥さんが「砂糖も入れる?」、と聞いたのであきれたしまった。たしかに甘味好きな九州人だが、それはないだろう。よく聞くと、「里芋入れる?」の聞き間違いだった。