Thursday, December 18, 2008

ハウシュカの新作CD

Rimg0212-1 ハウシュカの新作CD「ファーンドルフ」をようやく手に入れた。3枚目までは輸入盤でオーダーしていたのだが、インポーターからのリリース案内が何故だか4ヶ月ほど前からパッタリ来なくなってしまった。その後、国内盤が出ていることを知り、ディストリビューターへ何回かオーダーしたのだがいつも品切れ状態。万事休して、とうとうタワーレコードで買ったのである。以前も触れたのだけれど、気に入ったCDを店で販売することは案外むずかしい。特に、あまり売れそうにない、従って生産枚数も少ないこの手のCDは初回出荷で全国の大型店などに置かれたまま、追加オーダーされることもなく廃盤になってしまうことも多いのだ。でも、そんな愚痴を吹き飛ばすほど、この新作は良かった。前作のプリペアード・ピアノによる実験性から、チェロやヴァイオリンなどを加えた叙情的な作風へとゆるやかにシフトしている。ルネ・オーブリーっぽくもあるけど、どちらかというとペンギン・カフェ・オーケストラに近い。多分1980年代の末頃だったか、福岡の小さなホールで行われた彼らの初来日コンサートの記憶は、今でも鮮明に残っている。ペンギンの縫いぐるみを着た人や、パンク風英国紳士のMCおじさん、そして妖艶なダンサーなどとコラボレートしたその時の静かだけれど圧倒的なパフォーマンスを越えるものには、多分一生出会えないと思っている。楽屋でリーダーのサイモン・ジェフズにインタビューした時のおっとりした語り口も忘れられない。そのサイモンが亡くなったのは1997年、それからもう11年経ったことになる。彼がやろうとした事を引き継ぐ音楽家に出会うのはとても嬉しいことだ。