Thursday, November 6, 2008

アメリカは、まだまだ捨てたものじゃない

Rimg0815 日本に戻ってきて1週間、ようやく時差ぼけが直った。オバマ新大統領誕生のおかげだ。きのうは、世界中が久しぶりにポジティブな気分になれた日だった。「アメリカは、まだまだ捨てたものじゃない」と、誰しもが思ったはずだ。でも、本番はこれから。彼が稀代の雄弁家なのか、それとも本当に実行力がある政治家なのかは未知数なのだから。ところで、僕はオバマ氏の経歴に興味を持っている。ケニア人の父と、白人の母との間にハワイで生まれたアフリカ系アメリカ人であり、青年時代をインドネシアでも過ごしている。ということは、少なからずアジア的空気にも触れたことがあるわけで、つまり、彼は初めての黒人大統領というアメリカ内での評価と別に、僕らアジア人にとっても少しだけシンパシーを持てるということなのかもしれない。宗教的には、父親はイスラム教で母親はキリスト教だったと思う。本名はバラク・フセイン・オバマであり、”フセイン”という元イラク大統領と同じミドル・ネームのために一時期中傷されたこともあったようだ。共和党側の選挙戦略とはいえ、これはいただけない。彼は人種的にも宗教的にもマルチカラードなわけで、それこそが今までにない新しい指導者の魅力なのだから。それに比べて、先ほど更迭された旧国交省大臣の「日本は単一民族発言」や、めでたく定年退職した旧防衛省幹部の「中国侵略否定説」はどうだろう。一部の日本の政治家の見事な時差ぼけぶりは、実際始末に負えないものがある。他者の存在を認めないことは、とても危険なことだと思う。