Saturday, November 29, 2008

ボヘミアン風フェルト帽

Rimg0650 こう寒いと、僕のような坊主頭の人間は帽子が欲しくなる。でもこの冬は大丈夫、中国に行った若い友人が一風変わったフェルト帽をおみやげにくれたからだ。彼が行ったのは酒で有名な紹興というところだ。その前は確かフランスはアルザス地方のワイン農家に行っていたはず。といっても酒が目的ではなく、古い建物の研究の為である。彼は大学院で建築を学んでいる学生なのだ。その帽子をいただいたのは夏の盛りだった。一見チロリアン・ハットみたいだが、かぶってみるともっとインパクトがあっておもしろい。以前、紹興の農民や船頭などの労働者は皆この帽子をかぶっていたらしい。また、魯迅の小説「阿Q正伝」にも登場したということだが、そのいわれがふるっている。昔々、猟師たちが手負いの大虎を穴まで追い込んだ。見ると、その虎はすでに死んでいて、下にひつじや猪の毛が絡まり合って出来たつやつやした毛氈(もうせん)のようなものが敷いてあった。しかも、虎が長いこと寝ていたために鍋底の形をしていた。猟師達は面白がり、持ち帰って帽子にしてかぶってみた、ということなのである。ま、話の真偽はともかく、気に入った僕は店で取り扱いたくなり、秋にもう一度紹興へ行くという彼に「10個ほど買ってきて」と、お願いしたのである。今の中国ではかぶる人もほとんど無くなった無骨な帽子だが、端の曲げ方ひとつで浅くも深くもお好み次第。なによりもこんなボヘミアン風なフェルト帽なら、どんな北風も平気だろう。
フェルト帽¥3675