Saturday, March 7, 2009

小振りな仏様

Rimg0200 チェンマイ滞在中、「食い倒れ、着倒れ」ばかりじゃバチが当たると、一日お寺を訪れることになった。チェンマイから車で2時間、北タイ最古の街ランパーンにある「ワット・プラタート・ランパーン・ルアン」である。チェンマイより500年も前に誕生したランパーンは、ビルマの支配を受けなかったため、今でも古いお寺が残っているのだそう。確かに、なかなか味わい深い建築様式である。ただし、気温33度の戸外は当然のように、すこぶる暑い。連日、エアコン完備のクルマで移動し、ひんやりした店で物欲に耽っていた身にはかなり応える。おまけに、広い境内は砂が敷き詰められていて、歩く度にお気に入りの靴が埃まみれになってしまうので気が気ではない。テンション下がり気味だったところ、Oさんが「併設のミュージアムを見ましょう」と誘ってくれた。入ってみると、仏像がズラリと並んでいる。どれも高さ15cm程で、いずれもランナー調の小振りな仏様である。ひとつひとつ見ていくうちにその表情の豊かさにグイグイ引き込まれてしまう。それぞれが個性的で、作品的には稚拙なのかもしれないが、偶像的な威圧感がないところがいい。日本の木喰仏にも似た心休まる微笑みは、きのう屋台でガヤーンをぱくついていたおじさんの顔にそっくりだった。