Saturday, March 28, 2009

3本脚のスツール

Rimg0540 午後のイージージェットでオルリーからピサの小さな空港に着き、それからバスで1時間ほど走ってようやくフィレンツェにたどり着いた。盆地にあって美しいアルノ川が流れる古い街並みや教会を見ると、月並みだけどつい京都を思い浮かべてしまう。観光客だらけなのも同じか。あらかじめオンラインで予約していったのだけれど、それでもウフィツィ美術館の入口はごったがえしていた。まあ、ルネサンスというよりゴシックに淡い興味を持つ身としては、カラヴァッジオの「イサクの犠牲」を見れただけでも良しとしよう。そうそう、サン・マルコ美術館のフレスコ画の淡い色合は良かった。フレスコ画って、今までなんのことかよくわからなかったのだが、要は壁画なんだ。宗教的グラフィティ?壮麗な教会にある名画なんかよりも民衆の匂いがしているようで、親近感が持てる。小さな部屋に飾られた絵を見てゆくうちに面白い発見をした。ズラリと並んだ聖人達がテーブルに座って洗礼の儀式らしきことを執り行っている。ふとみると、テーブルの手前に並んだ4個の素朴なスツールがシャーロット・ペリアンの3本脚のスツールに酷似しているではないか。分厚いトップと裾広がりな脚など、明らかに近似値だ。さすがペリアン、こんなところにも彼女の世俗寄りなデザイン魂がうかがえるような気がして嬉しくなった。