Sunday, March 29, 2009

花の都パリ

Rimg0854 パリでのホテルはリパブリック広場が見下ろせる最上階の屋根裏部屋だった。ところが、前夜飛行機の都合で夜中の12時ころチェックインしようとすると、フロントにいた顔色の悪い男から「予約が入っていない」と意外なことを告げられ、早速一悶着あったのだ。とりあえず一部屋あてがわれ、翌朝フロントの別の男にどうなったのかを尋ねると、悪びれることもなく「予約はあった」と言う。どうやらファースト・ネームで探したらしく、僕は常々、外国でも日本式に通そうとして名字を先に書くことにしているために、予約リストから見落としたらしい。というわけで、一件落着してみてようやく、このロケーションのスゴサを素直に喜ぶことができたわけだ。窓を開け放つと、ロータリーを駆け回る車のクラクションや、雑踏のざわめきがいかにも猥雑で、「また、パリにやってきてしまった」という感慨みたいなものが沸き上がってくる。「花の都パリ」は今や様々な人種がひしめき合い、「生き馬の目も抜く」激しい都会でもあるのだ。すぐ隣にある「HABITA」の軒下には昼間から路上生活者がベッドを敷き、寒空の下、飼い犬2匹と一緒に毛布をかぶって寝ているのが見える。僕らが3日間滞在していた間も、彼らはそこから微動だにせず、そのままだった。ただ、カップにはいつもドッグフードが入っていて、2匹の犬たちはいかにも気持ちよさそうにぐっすりと眠っていたのが救いと言えば言えるのだが。