Monday, March 1, 2010

スペインの焼き物。

Rimg0035 海外買付ツアーは、楽しいが、やはり疲れる。始終目がキョロキョロしているからだろう。道を間違わないよう、面白い商品を見逃さぬよう、はたまた犬の糞を踏まぬようにと、気を張って歩いているからかもしれない。歩くと言うことは、回りの景色が一歩一歩変わると言うこと。しかも、見たこともない景色が。したがって、常に目をカッっと見開いているのだ。試しに、隣を歩くウチの奥さんを観察すると、確かに目を開けたままひたすら前進姿勢である。しからば、意識的に瞬きの回数を増やせば少しは疲れが減るだろうか?そんなことを思いつき実行したけれど、長続きするわけがなかった。
 バスクの町は比較的のんびりだったと思う。それが、バルセロナにやってきた途端に目が開放状態に舞い戻ってしまった。スペイン第2の都市はやはり大きい。その上に、ガウディである。あのサグラダ・ファミリアの曲線だらけの構造物には少々グッタリした。もちろん、面白くないとは言わないが・・・。完成にはまだ100年以上はかかるとのこと。諸行無常の世の中で、回りを巻き込んでなんともな力業(ちからわざ)である。
 ところで、僕らのホテルがある旧市街は、例のヨーロッパ特有の狭い路地だらけ。どこも同じような景色で、夜戻るのに、道を間違わないようにするのも一苦労。ところが、犬も歩けばナントカで、帰りしな、ウチのホテルのつい近所に陶器屋を見つけた。いわゆる観光客向けなのだが、入ってみるとかなり広い。様々な意匠の焼き物が地下と、地上2階に渡りギッシリ。見るうちに、スペイン各地の陶器が集められていることが分かる。これはラッキーと、さっそく買付体制に入る。最初は、アレもコレもと欲張ってはいたが、よく考えると明日が帰国。郵便で送り出す時間もないし、手持ちといっても飛行機のマックス20kgにほぼ達している状況なのだ。泣く泣く、グラナダ焼と地元カタルニアのものに絞った。グラナダ焼の素朴な手描き模様は、フィンランドのアラビアを極ナイーブにして沖縄をまぶしたような、なんとも愛らしい風情が気に入ってしまった。イスラムの影響も感じるスペインの焼き物は、ちょっと面白い。