Saturday, February 14, 2009

ご利用は2時間以内でお願いいたします

Rimg0130 うどんと蕎麦のどちらが好きかと自問すれば、うどんになってしまう。祇園町にある承天寺という古い禅寺がうどん発祥地とされているから、というわけでもないだろうが、昔から博多にはうどん屋が多かった。安くて素早く腹を満たすことができる庶民の味である。それに比べると、蕎麦はやはり中部地方以北のものであって,もともとなじみが薄い。だから逆に「蕎麦で一杯」という江戸風にあこがれもする。もちろん、今の福岡にはそんな蕎麦屋もあって、時々は暖簾をくぐることもあるが、うどん屋の気が置けない雰囲気のほうが性に合っている。昨日の夜、友人のKさんが面白い店に連れて行ってくれた。博多区は須崎町のうどん屋である。ただし各種の小皿料理もあって酒が飲めるというから聞き捨てならない。「行かずばなるまい」てな感じでたどり着くと、看板に「うどんとちょい飲み」とある。扉を開けてはいると、カウンターの前に品書きがズラリ、かれこれ60種くらいはありそうだ。その中に小さく「ご利用は2時間以内でお願いいたします」という札が紛れているのが可笑しい。さいわいKさんはクルマなので飲まないし、うちの奥さんと2人で「ちょい飲み」する分には時間は取らないだろう。芋焼酎のお湯わりにタイラギの酢の物、生き鯛のごま和え、マイタケのてんぷらなどをオーダー。いずれも380円から580円までと屋台並の値段がうれしい。さらにいくつか食べ、焼酎をおかわりすると、飲まないKさんは辛抱できずに釜玉うどんを啜りだした。黒こしょうをかけると旨いという。僕は三陸産のわかめ入りうどんを頼んだ。歯ごたえのある茎と讃岐風の麺は、締めにピッタリだった。
「つきよし」博多区須崎町5-7