Monday, November 8, 2010

リヨンの親切

Img 2253 パリからTGVで約2時間、その昔ローマ帝国がガリア地方を治めるために築いた街リヨンは、今ではフランス第2の都市。いつもパリばかりで、たまには違うフランスも探訪したかったのと、なにより大きな蚤の市が開かれていると聞き、訪れることにした。それに、YODEL次号がフランス特集ということも理由のひとつだった。そうそう、食べ物も美味しいってところも気になるところ。
予約しておいたホテルはローヌ川とソーヌ川に挟まれた中心街にあるベルクール広場の側で、すぐ裏通りは骨董屋街。昼前に到着後、さっそく探索。でもアンティック系が多く、フレンチモダンを扱う店は一軒だけ。ちょうどセルジュ・ムイユの展示会をしていて、本でしか見たことがない珍しいタイプのランプなどもあり、びっくり。聞くとヴィンテージではないらしく、正式なリプロダクトらしい。値段はIDEEのものよりかなり高め。もちろん、ヴィンテージほどではないけど...。美人のスタッフと少し話しをするうちに、お互い明日郊外で開かれるアンティック・フェアに行くことが分かり、ファイトが湧く。
 翌日、朝まだきの寒さの中、メトロとトラムを乗り継ぎ、最後は徒歩で空港裏手のエキスポ会場へたどり着くと、おじさん達が商品を並べ終わった頃だった。ウーンやっぱり骨董系が多い。そりゃそうだ、ヨーロッパだもの。でも、モダン一辺倒ではなく、古いものにももちろん面白いものがある。額縁や塑像、子供用の古いソリにスキー道具、ランプなどなど、どれも時間を経ているけど、まだまだ現役の顔をしている。そこかしこが欠けていたり、不完全だったりするところも、なんだか人間的で悪くない。結局、出口近くでシャーロット・ペリアンのダイニング椅子4脚を発見。けっこう遠くからやって来たらしいブロカンテなのだが、シッピングもやってくれるそうで、めでたく交渉成立。ほかにも欲しいものはあったのだけれど、なにしろ大きなものは買いにくい、ということでそうそうに断念。帰りの足がないのでバス停を尋ねているうち、太った赤ら顔のおじさんが「近くのトラムの駅までなら送ってやるよ」との申し出に、ありがたく便乗。こんな親切には、パリではお目に掛かったことがなく、いたく感激。ただし、車中、フランス語不案内な僕らにはおかまいなしに、ひたすらしゃべり続けるのには少し閉口したのだが。