Thursday, February 25, 2010

福岡一のバル。

Img 0646 今回の旅が天気に恵まれないことは、事前にインターネットの天気予報で予測できていた。実際、良くて曇り、たまに雨や雪に強風という悪天候だったのだが、気まぐれに雲の切れ間から差し込む太陽も、いかにも冬のヨーロッパという風情で案外悪くなかった。
 パリからイージージェットでビアリッツの小さな空港に降り立ったのは夜9時過ぎ。冷たい小雨に煙った瀟洒な避暑地は、閑散としている。例によって、荷物を置くのももどかしくホテルを出た。歩いて10分もかからず、町の中心であるレアール(市場)へ。ところが、その周辺に点在するバルがどこもクローズしている。海の方角へしばらく歩いたが観光客向けのバーが1、2軒開けているだけ。オフシーズンなのだと思い知る。コンビニみたいなものもなく、仕方なくホテルへ戻り、そのまま寝た。その反動もあって、翌日からは思いっきり食べた。そしたら、お腹を壊してしまった。海外では初めての経験である。丸ごとソテーした魚に、ガーリックバター・ソースをたっぷりかけ過ぎたかな、それとも旅の疲れが出たのかと考えて、薬局で下痢止めを買い、一晩寝た。翌日は何となく回復したので近郊のバイヨンヌへ行き、名物の生牡蠣を恐る恐る食べたが大丈夫だった。ところが、サンセバスチャンへ移動後2日目に、今度は奥さんが具合が悪くなった。彼女は回復に一日かかってしまったが、それでも昼間はめげずにチリーダ美術館見学に同行した。まったく見上げた根性だ。
 帰国してすぐに、福岡でガレットやシードルを出す店を経営しているマティアスさんと会い、そんな話をすると、「僕だってフランスへ戻ってレストランで食事をすると、一回はかならずお腹を壊すヨ。油分が多いからね」、と言った。多分彼は日本人体質になっているのだろう。バスク料理にしても、確かに旨いが、塩分や油分、乳分などは強いほうである。一昨日、天神へ出た際に「正福」へ立ち寄り、まよわず塩鯖定食を頼んだ。塩鯖といっても塩分はひかえめで、大根おろしが嬉しい。身体が喜ぶのが分かった。願わくば、閉店が20:00ではなく、せめて23:00くらいであって欲しいもの。そうすれば、ここはまちがいなく「Goiz-Argi」もかなわない福岡一のバルなのに・・・。