Friday, September 19, 2008

「セルフィッシュ」

Rimg0174 新聞に連載されていた野見山暁治の聞き書きシリーズがとうとう終わった。おかげで、朝の楽しみがなくなった、と思った矢先「セルフィッシュ」という本を手に入れた。野見山暁治の絵に田中小実昌が文章を添えたものである。先月、ROVAで來福した小柳帝さんといつものようにアレコレ話をしていて、ふと野見山の話をした際に勧められたものだ。1990年に限定2500冊出版されたが、初出は読売新聞夕刊の連載だったらしい。ヨミウリも捨てたものではない、ということか。内容は、野見山のドローイングに、所々コミさんの短い文章が入るというもの。描きなぐったような絵と刹那的な言葉のスピード感が凄い。なかでも「お前が死んでいなくなっても、毎日毎日、きょうは昨日になっていく、と。」というフレーズにしびれる。来月は、コミさんも好きだったサンフランシスコへ行くのだ。彼が、当てもなく終日バスに乗っていたという街は一体どんな街なのだろう。