Wednesday, October 1, 2008

ホッピーさえ飲まなかったら

Rimg0166-1 先日の東京出張でビオワインの洗礼を受けてしまった。場所は友人のOさん夫妻と夕飯を食べる約束の「ル・キャバレ」。代々木八幡から歩いて10分ほどの所にある。JR新宿駅で小田急線に乗り換えようとしたとき、このまま電車に乗ると約束より早く着いてしまうことに気付き、どこかで少し時間をつぶそうと西口へ出た。学生時代、青梅街道沿いの中古レコード屋によく通ったなあ、と思いながらも足が自然にガード沿いの方向へ向かい、あっという間に「ションベン横町」の飲み屋街にいた。そういえば、昔たまに来たことがある。バンドの練習を終え、一杯やりつつ音楽談義をするには格好の場所だった。特に金欠の身の上にはありがたかった。今では「思い出横町」などと名を変えた界隈だが、昔通りサラリーマンやおじさん達の天国であることに変わりはない。座って、とりあえずホッピーを頼む。アテは赤貝のひも。なにせ時間があまりない。それにしても、ホッピーというのは何の味もしないのに結構酔ってしまう不思議な飲み物だ。ふと表を見ると、ドアの向こうの雑踏を画家のYABUさんらしき人が通り過ぎたような気がする。まさか、こんな所を歩いているはずはない。ホッピーがもたらす幻覚なのだろうか。早々に店を出て、約束の店へ向かう。この分では少し遅刻だ。ところが、ありがたいことにOさん夫妻は僕らを待っていてくれた。早速ワインにする。まずは、冷えたロゼということになる。ビオらしいシンプルなラベルである。微発砲ですこぶる旨い。鳥レバーのリエットも唸るほど旨い。会話が弾み、ワインも進み、結局4本ほど空けたようだ。こんなに愉快な時を過ごしたのは、本当に久しぶりのこと。あまりの愉快さに、料理のほうは何を食べたかいまひとつ判然としないが、クスクスや、野菜系が多く、どれもビオワインに良く合うあっさり目の味付けがなされていた。それにしても、あの味気ないホッピーさえ飲まなかったら、もう一本は確実に空けていたのに、と思わずにはいられなかった。