Sunday, October 12, 2008

長十郎なら文句ナシ

Rimg0063 最近、といってもかれこれ2ヶ月くらいになるだろうか、ウチのすぐとなりのビルの軒先に露天の野菜屋が出現している。穫れたての地野菜や果物が駅前広場の向かいにあるひと坪ほどの場所に並べられ、道行くおばちゃん達が足を止めている。相次ぐ食品偽装もあってか、食の安全が気になるのはなにもおばちゃんに限ったことではないだろう。僕も、犬の散歩の帰りに立ち寄ってなにがしか買い求めることがある。不揃いな形のトマトや、もぎたてのナスを見ると、つい買いたくなるのだが、我が家の冷蔵庫に買い置きがあるのかどうか定かではないから、あきらめることが多い。ところが、果物となると、つい買ってしまう。もし買い置きがあっても、毎朝なにがしかの果物を食べるので構わないのである。酒を飲み過ぎた翌朝、ぼんやりした寝起きの頭に果物の水分と糖分がジワーっとしみ込んでゆくのは悪くないものだ。特に、今の季節は梨がいい。シャクシャクとした歯触りと、甘くたっぷりの果汁には抗しがたいものがある。梨なら何でもいいのだが、長十郎なら文句ナシだ。昔は、二十世紀に比べられると肩身が狭かったこのでっかくて無骨な梨だが、旨いのに当たると「これぞ、日本の梨」という感じでつい食べ過ぎてしまうほどだ。そして、何よりも安い。赤ん坊の頭くらいのが2個で300円である。旨くて、安くて、安全な食い物があるのは、気分がいいものだ。そういえば、昨晩久しぶりにビクトル・エリセの「エル・スール」をDVDで観た。本当は「マルメロの陽光」が観たかったのだが、レンタル店にはなかった。でも、あまりの素晴らしさに、おかげでしばらく寝付けなかった。それにしても、マルメロという果物は、一体どんな味がするのだろうか?見たところ、洋なしのような形をしているのだけれど・・・。