Friday, May 21, 2010

「音のある休日」#24

TIMELESS / BOBBY CHARLESBobby2  " ミュージシャンズ・ミュージシャン " という言葉がある。「音楽家から愛される音楽家」という意味合いで、一般的には知名度が低い場合も多い。この遺作を聴き、ボビー・チャールズもそんなひとりだったと思った。
  1938 年ルイジアナ生まれ。ニューオリンズ音楽の作曲家としてレイ・チャールズなどにも曲を提供した白人ミュージシャンである。 70 年代にはウッドストックに移り、ザ・バンドのメンバーたちと発表したアルバムは「隠れた名盤」として聴き継がれている。その中の一曲「スモールタウン・トーク」は、はっぴいえんどで知られる曲「風をあつめて」の元ネタとも言われている。あの、くぐもった暖かいヴォーカルがもう聴けないと思うと、残念だ。
(西日本新聞 5 月 9 日朝刊)