Thursday, April 3, 2014

アップグレード

先月は、前から一度は行ってみたかったカナダ、バンクーバーへ。
それも、初のビジネスクラスである。これまでの旅行数からいえば、相当のマイルが溜まっていてもおかしくないのに、格安チケットを狙ってその都度いろいろな航空会社を選んでばかりいたので、どこも寸足らず。ある時期からコリアン・エアに絞った結果のアップグレードなのだ。当然すさまじくコンフォタブルで、9時間のフライトなのに「えっ、もう終わり?」というくらいあっという間に着いてしまった。もっと乗っていたかったくらいだ。次回からの旅行はまたエコノミーだと思うと、早くも暗澹たる気持ちになる。帰りの便でも、ゆっくりくつろぎ、映画を楽しんだはずなのに結構長く感じたのは、行きと違って12時間という、ほぼヨーロッパ便とおなじフライト時間だったからなのか。ところが、我が家にたどり着き、買い付けた1個25kgの荷物数個をヨイコラショとビルの4階まで運ぶのに、右足と腰が引きつったように違和感があって思うに任せない。もちろん、マッサージにも行ったが、1週間たってもはかばかしくない。つらつら考えるに、これはビジネスシートのせいではないか?という思いに至ってしまった。
 思い返すと、思い当たることがある。アノ、多すぎるシート調節機能である。物珍しいので「ああでもない、こうでもない」とやたらにいじくり回したのだ。いつものエコノミーの単純なリクライニングしか知らない初心者であるから、ひたすら試行錯誤を繰り返したのだ。しかし、どれが自分にとって一番コンファタブルなのかよくわからない。なにしろ、電動で背、座面、脚おのおのが、こまかく無段階コントロールできるのでその組み合わせはほぼ無限といっていい。そのうえ、さまざまな酒やワイン、カクテルも無限だ。いつも以上に酒量が増えるのは、理の当然というもの。多分、したたか酔っ払って不思議な姿勢をとったまま、コーエン兄弟の新作映画を2回リピートしつつ眠りこけたとしか思えない。やはり、窮屈さに耐えかね、ときどき離席してストレッチに励むほうが性に合っているのだろうか。