Monday, October 8, 2012

刻々と変わるのは、天気だけじゃない。

「鳥取では晴れていても傘は手放せないんですよ」とOさん。確かにさっきまでサンサンと日が照っていたと思ったら、いつの間にか小雨が降りだした。俗に言う狐の嫁入り状態で、見上げると雲の動きが速い。日本海気候のために夏暑く、冬は時に豪雪に見舞われるらしい。なかなかハードな土地柄なのである。そんな話をするOさんは天草出身で、「何の因果か、ここに住み着いた」と語る県の観光課の人。ただし元々は作家さんであり、竹を使った作品がアメリカのギャラリーに展示されていたりする。したがって鳥取県に点在する様々な民具を始めとする「物や事」に対する関心が高い。つまり、彼と一緒に行動することで僕らの鳥取旅行が成り立っているといっていい。今回も、organで去年開催して好評だった鳥取物産展の続編をやることになり、お手伝いをしていただいた。
初めての「浦富焼(うらどめやき)」は「集(つれ)」という名前の民芸店で見ることができた。明治時代に姿を消した窯を1971年に再興した山下碩夫さんによる白磁や掻き落としの作品がモダンだ。前回も訪ねた「牧谷窯(まきたにがま)」は最近作陶が追いつかない状態とのこと。綺麗なストライプや市松模様は違う色の土を"練り上げ"て焼いたもの。手間がかかるのである。それでも1月までにはなんとかしてくれそうなのでホッとする。「きわい窯」ではヨーロッパの家を模した小さな陶器をセレクト[写真]。「国造焼(こくぞうやき)」のポッテリしたボウルにも捨てがたい魅力を覚えた。前回は民芸の影響が濃い窯元さんの作品が主だったけど、どうやら今回はその次世代のものに惹かれたようである。内外を問わず、いろいろな「物や事」に興味を持ちながら自分のスタイルを模索することは、とても大切なことなのだ。刻々と変わるのは、天気だけじゃない。