Wednesday, August 11, 2010

アントニオ・ヴィターリ 展

Img 1800 目黒区民センターといえば、たしかぼくがいたバンドがそこのホールでコンサートを開いたはず。大学2年の時くらいか。なんとか録り終えた初アルバムを発売した直後の、いわばデビューコンサートみたいな感じだった。連日のように、大橋にあったポリドールのスタジオでリハーサルを重ねて当日にそなえたはずだが、肝心のコンサートのことはよく覚えていない。でも、大阪出身のカメラマンだったマネージャーのNARUちゃんと一緒に写真をコラージュして作ったフライヤーだけは記憶している。そういうものだ。
 そんな場所を40年振りに訪れたのは、アントニオ・ヴィターリの展覧会のため。organで知育玩具を取り扱い始めた頃、小柳帝さんからの耳打ちで、このスイス出身の素晴らしい彫刻家の木製玩具に出会った。といっても作品集だったのだが、それでも彼の作品の魅力に触れるには充分なほど濃い内容だった。キツネや山羊、象などの動物、赤ん坊を胸に抱いた母とそのファミリーなどが、柔らかなカーブで表現されている。是が非でも実物を触ってみたいと願った。でも、子供の玩具というものは、成長する課程で破棄されてしまうものがほとんどなので、簡単に見つかるものでもない。で、今回ようやく、その全貌に触れることが出来た次第。まさに「子供が初めて手に触れる玩具はこうであって欲しい」と思ってしまう。モチロン汚れちまった大人達も。ちなみに、ヴィターリの作品はすべて廃盤だったのですが、最近ドイツで動物パズル3種類が再発されました。
「クルト・ネフ + アントニオ・ヴィターリ 展」  2010年09月12日まで
目黒区美術館 :目黒区上目黒二丁目19番15号 電話 03-5722-9300