Thursday, January 14, 2010

「よし田」の鯛茶漬け

Rimg0007-1「よし田」は、天神にある割烹の店なのだが、ボクはもっぱら昼メニューの鯛茶漬けでお世話になっている。天ブラをして昼時になり、ふと思い出しては立ち寄ってしまう。「正福」の焼き魚もいいが、酒を飲んだ翌日に汁物が欲しくなった時に頭に電球が点くようにひらめいてしまうのだ。で、これが滅法旨い。どう旨いかというと、二度旨いのである。
 まず一度目は、秘伝のごまだれに浸され、海苔とワサビが載った鯛を良くかき混ぜたあと、箸でつまみ上げ、ご飯のおかずとしていただく。ここでは、いきなり茶漬けに行くことは、一応御法度なのである。ぷりぷりした鯛の切り身が、おひつの中で適度に水分が飛んだホクホクのご飯に突撃命令を下だす。もうこのまま食べ続けたいという衝動と戦いながら、あっという間に一膳目が終わる。二膳目のご飯は鯛がまだ半分以上残っていることを確かめつつ、かなりたっぷりめによそう。そして、未練がましくまたお刺身定食を続け、いよいよ鯛が残り半分になった頃合いを見計らって、急須に入った熱いお茶を一気に注ぎこんでしまう。これで安心、という感じで沢庵を一切れ口に入れた後、遂に決戦の時を迎えるわけである。まあ、実況中継はこれくらいにしよう。二度目の旨さは、もはやはいわずもがなだろう。どんなブイヤベースも相手にならない世界最強の”お米入り突然魚スープ”に我を忘れる至福の時間が約束されている。
 
Rimg0011-3 そうそう、「よし田」はこざっぱりとした店内のしつらえも魅力のひとつ。まるで小津安二郎の映画のセットのようにキチンとしていて、とても気持ちがいいことも書き添えておこう。