Sunday, June 22, 2008

平積みされていた「ショーケン」

Rimg0116 近所の本屋で、平積みされていた「ショーケン」を買ってしまった。このての本はしばらく経ってからブック・オフで買うのがセオリーなのだが、立ち読みをしている内にどうしても誘惑に勝てなくなった。GS時代、女性遍歴、大麻、黒澤明などなど、本人のナイーブなモノローグで語られている。でも、やはりこの人は、「傷だらけの天使」だな。あの破天荒に格好良かったタイトルバック。新聞紙を前掛けにして、やおら冷蔵庫からパン、トマト、コンビーフ、そして牛乳を引っ張り出して、ひたすら食うシーンだ。牛乳瓶のフタを手じゃなく、口でバゴっと中に押し込んで、おまけにピシャっとカメラに向かってぶちまける。真っ白になった画面に真っ赤な文字で「傷だらけの天使」とタイトル・ロゴが出るって寸法。ゴダールの「勝手にしやがれ」なんか霞んじゃうくらいアナーキーだった。本によると、このシーンは何をやるかまだ決めて無かったらしい。で、突然朝飯を食うことに決め、マルチェロ・マストロヤンニ主演のイタリア映画「最後の晩餐」をイメージしたという。ひたすら食い、かつセックスするという映画だ。そうか、フランスというよりイタリア好きだったのかな。でも、「アキラ」と「アニキィー」のモデルになったのは、実は「真夜中のカーボーイ」のダスティン・ホフマンとジョン・ヴォイトということらしい。そういえば、市川崑の「股旅」もよかった。尾藤イサオ、小倉一郎とのズッコケ渡世人ぶりが妙にリアルで。このあたりまでがショーケンで、次の大ヒットした「前略おふくろ様」あたりから萩原健一ということか。罪を悔い、四国のお遍路に出るのはきっと、萩原さんだろう。それにしても、これくらい振幅の激しい俳優って、近頃めっきり少ない気がする。