Sunday, May 10, 2009

ボンドは付けすぎないように

Rimg0056-2 福岡ではドンタクの期間中、かならず雨が降るというジンクスがある。ENOUGHの田中さんとgrafの服部さんが一緒に開いたワークショップ「ハウ・トゥ・イメージ」がその日だったのだが、全面窓ガラスの会場は雨にしっとり囲まれて案外悪くない雰囲気だ。前半は、2人のトーク・セッション。服部さんの分析力と田中さんの熱意が交錯した静かだけれど熱い1時間だった。休憩をはさみ、いよいよワークショップ。あらかじめ用意されたチークの端材に、様々な色の小さなタイルをボンドでくっつけてウォール・ハンギングを作るという趣向。僕は勝手にロジェ・カプロンみたいな作品を目指して参加させてもらったが、13色のタイルがどれもきれいで、どれを使うかさっそく迷ってしまう。色を絞った方が良さそうなのだが、なにをイメージしたらよいのかがわからない。田中さんの「表札なんかにも使えるかも」、という言葉が耳に入り、とっさに”ENOUGH"に決定。大体の構図を決め、タイルを並べてみる。「まあ、こんなものだろう」ということで、ボンドを塗ってタイルを固定することになりハタと気がついた。小学生の時分、プラモデル作りでさんざん手こずったのがセメダインだ。「ボンドは付けすぎないように」という言葉が聞こえつつ、もはや板にたっぷりのせてしまっている。「えい、ままよ」と、ボンドを伸ばしタイルを押しつけてゆくと、案の定すきまからはみ出てしまった。後戻りは出来ないのでムキになりそのまま続行、結局表札に使えるしろものではなくなってしまった。終わって全員の作品を見回し、一番気に入ったのが野見山さんのもので、もちろんボンドははみ出てはいない。「南米をイメージした」という本人の弁通りの仕上がりに、嫉妬した。