Tuesday, May 26, 2009

小代焼リミックス

Rimg0007 先週に続いてのドライブは、ちょっと足を伸ばして熊本県の小代焼を訪ねた。「ふもと窯」の井上尚之さんが作るスリップウェアを買い付けるためだ。小代焼きといえば、小さい頃に我が家の食器棚にもいくつか見受けられた海鼠(なまこ)釉が特徴の古い歴史を持つ雑器である。井上さんのお父さんは伝統的な民陶の匠として有名な方でもある。しかし井上さんが作るものは伝統だけにとらわれない焼き物を生み出している。同じ民陶として知られる小石原焼きで修業していた際、それがスリップウェアと呼ばれることすら意識せずスポイトを使う作陶に面白さを覚えた、と話してくれた。だからなのだろう、彼の描く文様はとても伸び伸びとしてモダン、一目で惹き付けられてしまった。夢中になって見ているうちに、しっかりとした高台のお椀が目に入った。沖縄で古くから「マカイ」と呼ばれているものに似ている。聞くと、沖縄の焼き物も好きだという。他にもポップなドット文様の小皿などもある。しかも、どれもがすぐに使ってみたくなるような親しみを感じさせてくれる。まるで、音楽をリミックスするように自由な空気感がいい。陶器の世界に吹く新しい風を感じた。