ホーチミンでの4日間は、当たり前のように連日フォーだった。到着した夜は、矢も楯もたまらずホテル近くの店に駆け込み、禁断症状をなだめるように牛のフォーをズルズル。次の日はフエ・スタイルのフォーだったが、上品すぎて庶民派の味ではない。なので、3日目はもっと辛いフエ風にトライして納得。昼は古いチャイナタウン、チョロン地区で小母さんが中華鍋でガンガンやっつけたチャーハン。で、最後の夜は” Ba Ca"と呼ばれる大衆食堂へ。入り口に並んだいろんな大皿をいくつか指さしでオーダー、なんだか大名にある「青木食堂」みたいだ。どれも家庭料理っぽくて胃袋が大喜び。「インゲン豆の煮浸し」と「焼なす」に歓喜し、「軟骨付きゆで豚」の甘くジューシーな味にビールが進む。甘辛い煮魚、ピリ辛のチキン、ホウレンソウのスープなどなど、苦手だったインディカ米の香りも料理にピッタリで、気がつくとほぼ完食。とその時、そばを通りかかった店の小母さんが、小さなガラス容器に入ったものを2個そーっとテーブルに置いていった。食べてみると自家製ヨーグルト。けっこうサワーなのだが、蜂蜜の甘さがイイ。勘定を払うとき、「甘さは蜂蜜ですよね?」と聞くと、小母さんは「砂糖」、と答えた。どう考えても、ハニーの甘さだと思うのだけれど・・・。