Thursday, June 18, 2009

建築家ジェフリー・バワ

Rimg0019-1 ANAの機内誌「翼の王国」の6月号にスリランカの建築家ジェフリー・バワが特集されていた。スリランカといえば、昔セイロンと呼ばれ、紅茶が有名で、アジアの西端にある美しい島というくらいの認識しかない。しかし、実際は今でも民族問題を抱える多宗教、多文化な国家でもある。バワ自身も、父方がアラブ系とフランス系イギリス人、母方はオランダ系とスコットランド系がアジア系と混血した家系という、訳がわからないくらいコンプレックスした出自の持ち主なのである。裕福な家に生まれた彼は1930年代、世界中をボヘミアンのように旅した後、建築に目覚めている。西洋と東洋を融合するアイデアは、後にバリ・スタイルと呼ばれるモダンなアジアン・リゾート建築のモデルとなる。その際、モダニズムという国際性を真似るのではなく、アジアの風土や民族性を取り入れたため1950年代には異端あつかいされたという。異端大好きな身として、これは看過できない。スペインやめて、急遽スリランカ行きを夢想した。彼が手がけたホテルや自邸を、この目で見てみたいものだ。風呂場に張ってある奥さん自筆の「顔マッサージ」マニュアルが、アーユルヴェーダのように見えるのは気のせいか。