Friday, November 6, 2009

唐津くんち

Rimg0100-1 一昨日、パリから戻ったばかりのユカリンと一緒に、唐津くんちへ行ってきた。つい10日ほど前はマレあたりを一緒に歩いていたのに、日を置かず今度は唐津で再会。活動的な人なのだ。彼女の友人である老舗呉服屋の若旦那のお誘いで、4軒ものお宅をハシゴしてしまい、美味しい手料理を堪能した。
 まずは昼からS邸でアラの刺身。唐津くんちといえばコレだ。今まで「アラのようなもの」しか食べてなかったことが判明、その堂々とした本物の魚振りに驚いた。味は脂がのっているのにさっぱりしている。他にも生きのいい魚が一杯。シャンペンとワインで昼間からすっかりいい気分だ。続いては川島豆腐へ。いつもの入り口ではなく、豆腐工場を抜けて裏にある秘密の会場へ。ここではローストしたアグー豚をいただいた。沖縄産らしく、中国原種との交配種とのこと。優しい甘みがクセになりそうな味である。そして大将が丹精した唐津限定の新米のおにぎり。塩も付いてないのに、一粒一粒が甘く香ばしい。あまりの旨さにぬか漬けと一緒に2個パク付く。ここで、一旦ホテルのチェックインを口実に、シャワーを浴びて小休止。なにしろ、お腹いっぱいなのである。
 それにしても、豊穣の祭りらしく、皆さんよく食べて飲むし、よく喋り冗談も達者だ。博多の山笠とは明らかに違う。次のお宅へ伺う途中でようやく遭遇した曳き山も、勇壮というのではなく、子どもやお年寄りが一緒になってソロリソロリと練り歩くのだ。そのお宅では、家庭料理をいただき、何人かの福岡の知り合いにも会い、ビックリ。みんなが誰かのつながりで偶然集うのも嬉しいことだ。唐津くんち独特のかけ声「エンヤ」が、なんだか「(コレも何かの)縁や!」に聞こえてしまう。最後は洋々閣へタクシーで乗り込み、泊まり客も一緒に座敷で車座。巨大なアラの煮付けが旨過ぎる。隆太窯の太亀さんもすっかり出来上がっているようだ。
 唐津くんちは正月よりも盛大だとのこと。そういえば、伺ったお宅ではどこも最後にかならず「来年もぜひいらしてください」との言葉が添えられる。あるおじいさんは「良い年を!」とまでおっしゃった。美しい晩秋の一日が足早に暮れていった。