Monday, November 2, 2009

素足のサイズ計測

Rimg1173 オテル・ドヴィルの前にあるBHVでユカリンと待ち合わせて、マレの方角へブラブラ散歩していたらANATOMICAの店の前を通りかかった。80年代半ば初めて訪れたパリではフレンチアイビーの牙城だったHEMISPHEREへ行くのが目的のひとつだった。そのオーナーだったピエール・フルニエ氏が90年代にビルケンシュトックをメインにしたショップを開いたことは知っていたし、確かその後一度は訪れたはずなのだが・・・。 
 イソイソと店内に入ると、エレファントスツールのオリジナルが置いてある。先日Pucesで見かけたものの、つい買い逃してしまったのと同じジェット・ブラックで、いい感じに色あせている。店内はさほど広くもなく、日本のワラジや古いかすりが置いてあったりしてなかなか興味深い。しかし、目は壁に引っかけてあるオールデンのダーティーバックスに釘付けだ。サイズの有無を尋ねると、ピエール氏が地下のカーヴにストックを調べに行ってくれたが、あいにく9.5インチしかないらしく僕には大きすぎる。ブラウンなら小さいサイズがあるのだが、さて・・・、と逡巡していたら、「足のサイズを測りましょうか」とのお誘い。レッドウィング社の古いフィッティング・ゲージでムッシューじきじきに計測してもらうのもいい経験だと思って靴を脱いだ。
 僕は、「多分8.5のDかEだと思う」といったのだが、結果は8のDらしい。ところが、ムッシューは「靴下を脱げ」という。確かにちょっと厚めのソックスを穿いてはいたが、それにしても慎重な人である。気恥ずかしかったが、いわれるがままに冷たい金属のゲージに足を置くと、ムッシューはその細い指で僕の素足を台座にキチンと固定し、おもむろに「まちがいない、お前は8のDである」と宣言した。昔の僕なら、ここで観念してブラウンを購入したのだろうが、今は違う。やはり、ダーティーバックスが欲しいので、と断った。そのかわり、濃いブラウンのシェットランド・セーターをいただくことにして店を後にした。