Sunday, September 27, 2009
カナダに興味がある。
ラサ(Lhasa)という女性シンガー&ソングライターの同名タイトルCDを聴いている。世の悲しみを一身に背負ったかのような声とメロディに、ふと同じカナダ出身のレナード・コーエンを思い浮かべてみる。ついでに、リチャード・マニュエルやニール・ヤング、ジョニ・ミッチエルも。いづれも、ベトナム戦争の時代に、アメリカに対して批評的立場を取ったカナダ人なのだが、デビュー時はてっきりアメリカ人だと思っていた。一見、アメリカと区別が付きにくいカナダだが、実際は随分様子が違うようだ。歴史的には、両国ともイギリスの支配から独立している。カナダ東部大西洋岸は元来フランス領だった。それをイギリスが破ったわけだが、直後にそのイギリス軍にいたジョージ・ワシントン等が、皮肉にもイギリスを相手に戦争をしかけ、アメリカが独立を果たしている。その際、カナダでのフランス軍はインディアンと共闘を組んでいたということを知った。戦略的理由だったのかもしれないが、先日のヴェトナムでの話と合わせて、ネイティヴへの配慮を感じさせるフランスを想像した。そういえば、フランス系カナダ人のミュージシャンを意識したのはルイス・フューレイが最初だった。あの強烈な個性は、ちょうど聴き始めたばかりのセルジュ・ゲンズブールと一緒くたになって、時代遅れのダンディズムへのあこがれを加速させた。そんなカナダ人で2004年に「LANDAU」というアルバムを出したのがMantler。ウーリッツァーの侘びたエレピ音をバックに、ロバート・ワイアットを幼くしたような痛切な声で甘美なメロディを紡ぎ出すおじさんである。話が散漫になったが、要はカナダに興味がある、ということだ。いつか行ってみたいとも思う。でも、何処へ行けばいいのか、まったく焦点が定まらない。まさか、今さらアウトドアに目覚めそうにはないが、モノ探しではない旅がしてみたい。秋なのだ。