Saturday, September 12, 2009
Au Revoir Simone
オ・ルヴォワール・シモーヌというガーリー・ユニットのCDをアメリカから取り寄せてorganで販売していたのは2年ほど前。毎日のように聴いていたあの頃に来福してくれていたら、などと思いつつライブ会場へ向かう。小さな会場は、案の定スタンディングで、隅の方に申し訳程度のイスが数脚。優先席とばかり、小さなすきまを見つけて座らせてもらう。缶ビールをチビチビやりながら、知人でもある田中ゴロー君のユニット「lem」の演奏に耳を傾けた。CDで聴くよりずっと骨太の音が気持ち良い。二組目のバンドがラウド系だったのを潮時に、近所の焼鳥屋へエスケイプ、彼女たちの出番とおぼしき時間になりそそくさと会場へ戻ると、待つほどのこともなく演奏が始まった。ドラムマシーンをバックに、ミニサイズのシンセをピコピコ操る三人娘がそこにいた。聞き慣れた曲を耳にし、おもむろにステージ近くへ移動。イイ。耽溺していた80年代の「ヘタウマ」といわれたミューズ達が、走馬燈のように脳裏を駆けめぐる。アンテナ、アンナ・ドミノ、ミカド、そしてベントゥーラ。待てよ、彼女たちはブルックリン出身だったはず。そういえばローチェスっぽくもあるし、いにしえのガーリー・ガレージ系シャングリラスのソフトヴァージョンといえなくもない。なにより決定的なのは、向かって左端、ブルーネットの娘の歌声である。なんと、スラップ・ハッピー時代のダグマー・クラウゼの遺伝子「明るい絶望感」を持っているではないか!それにしても、3人ともスキニー過ぎる。目の毒だ。おかげで最後まで立ちっぱなしの有様だった。