James Yuill / Turning down water for air
久しぶりに「シンガー・ソングライター」という言葉が浮かんだ。アコースティックとエレクトロニクスが気持ちよく調和したサウンドと、イギリスならではの愛すべきメロディー。なんだか名前「ユイル」が「ユルイ」に思えてしまうほど優しい歌声に、思わず耳をそばだてた。
インターネットの動画サイトを検索すると、観客を前にして生ギターを背中にしょって、いくつものコンピューター機材を操る彼の姿を見ることができる。社会的で内省的だった1960年代とは違い、ハイブリッドでしなやかなスタイルである。今のところ、輸入盤でしか聞けないのだが、ウェブ・ショップなどでは比較的容易に購入が可能だ。マイナーな音楽を楽しめる環境が嬉しい。
(西日本新聞9月6日朝刊)