Sunday, December 6, 2009

ジョナサン・デミ

Rimg0029-2 ジョナサン・デミといえば「羊たちの沈黙」でヒットを飛ばした映画監督。ほとんど忘れかけていた人なのだけれど、新作「レイチェルの結婚」をDVDで観ると、やはり面白い。設定は姉の結婚式。元ドラッグ依存症の妹を中心に、多様な人々をドキュメント・タッチで描いている。一見、アルトマンの"Wedding"にも通じる群像劇ともいえるのだが、こちらのほうは皮肉度は低く、そのかわりに今のアメリカの匂いがしている。結婚相手は黒人、その甥っ子はイラク戦争から一時帰国した兵隊。パーティーを盛り上げる音楽も多彩だ。ブズーキを使ったり、インドっぽかったり、ジミヘンまがいやR&Bまでごった煮状態なのだが、どれもが映画にしっくり来ている。ついさっき、我慢できずにサントラをアマゾンでワン・クリック買いしてしまった。そういえば、彼はトーキングヘッズのライブ映画「ストップメイキング・センス」や、「サムシング・ワイルド」などで当時のNYを中心にした先端音楽への敬愛ぶりを示していたっけ。特に「サムシング・ワイルド」はそのクレージーな内容に、当時かなり興奮してしまった思い出がある。フィーリーズ(必殺”Fa C-La ”)がデビッド・ボウイの”Fame"をパーティーの場面でペナペナに演奏するシーンがあったり、ジョン・ケールやローリー・アンダーソンがスコアを書いたりしていた。時は1980年代中頃。レゲーにダブやアフリカン、パンクとUKニューウェイブ、そしてヒップホップなどが混然となって僕の頭を駆けめぐっていた時期だ。貿易センタービルも健在だった。