Saturday, December 12, 2009

「音のある休日」#13

Swami 1 スワミ・ジュニオル / オウトラ・プライア
「イパネマの娘」が発表された1963年以来、ボサノバは世界中を駆けめぐり、今もその斬新なサウンドは人々を魅了し続けている。単にお洒落なだけではなく、サンバやショーロなどのブラジル伝統音楽をはじめ、古くアフリカからの音楽的記憶をも内包しているからだろう。
 様々なミュージシャンに信頼されてきたギタリスト、スワミ・ジュニオル初のソロアルバムには”サウダージ”と呼ばれる深い哀愁と、都会的な洗練が同居している。ネイティブとアフリカ系、そして西欧というミクスチャーが生んだ”つづれ織り”のようなクラフト感が大きな魅力ともなっている。ゲストの歌もそれぞれに滋味深く心にしみる。
(西日本新聞11月29日朝刊)