Thursday, December 24, 2009

Homemade Music

Rimg0047-1 東京で長い間音楽関係の仕事をしていたHさんが、つい最近福岡へ居を移した。その彼がCDをドサッと貸してくれた。見ると、そのほとんどがアメリカの、それもルーツ・ミュージックみたいなものが多い。ピート・シーガーやニッティ・グリッティ・ダート・バンドなど聴いたものもあるが、そうでないものもある。その中にデヴィッド・グリスマン関係のものが3枚あった。ジョン・セバスチャンと一緒のやつは聴いていたのだが、残りの2枚はいずれもジェリー・ガルシアとの共演で、前から気になっていたもの。まずタイトルに惹かれ聴いたのは1993年発表の"Not For Kids Only"というアルバム。ガルシアの優しい歌声とグリスマンのマンドリンやバンジョーでトラッドを子供に聴かせる趣向だが、確かに大人が聴いてこそ楽しめそう。もう一枚の”The Pizza Tapes"のほうはブートレグで流通し、デッド・フリークの間で密かに愛聴されていたもので、高田渡さんが生前Hさんに「ぜひ聴くように」、と薦めたCDらしい。リラックスした中にも名手達の息づかいが聞こえるようでとても素晴らしい。「天国の扉」や「朝日の当たる家」なんて名曲からマイルス"So What"まで飛び出すのだからタマラナイ。ザ・バンドで聴き馴染んだ”Long Black Veil"にはひとりグッと来てしまった。70年代はヒッピー気分で聴いていたものだが、実はホームメイドな雰囲気を持つアメリカならではの音楽なのだと合点する。