Thursday, October 29, 2009

Couleur Cafè

Rimg1095 無事アギーユ・ドゥ・ミディ征服後、登りと同じロープーウエーで一段下の乗り換え地点まで下る。ここまで来ると、少し人間界に近い気がする。見ると、少し離れた場所に山小屋みたいなものがある。ドイツ語ではヒュッテというのだろうがBARという文字も見える。吸い寄せられるように小屋の中へおじゃますると、髭を生やしたおじさんが退屈そうに新聞を読んでいる。ちょっとしたみやげ物がテーブルに並んでいるのだが、床には大きなリュックとヘルメットが置いてある。頂上を目指してちゃんと自分の足で登る人のための中継地なのだろう。メニューを見ると、赤ワインがある。暖かいヴァンショーをお願いしたが、あいにくやってない。しかたなく、ボルドーのグラスをお願いし、勘定をするためにカウンターの近くへ行くと音楽が流れているのに気がついた。低域がカットされた小さなラジオ独特の痩せた響きだが、どこかで聴いたようなメロディーだ。ちょっとラテンっぽい。そのままテラスへ向かいかけた瞬間「クーラーカフェ・・・」という歌詞が耳に飛び込んできた。ゲンさんである!こんな場所でのゲンズブールとの遭遇に、思わず膝を打った。確かにここはアルプスとはいえフランスなのだから不思議ではないのかもしれないが、なにせクーラーカフェ、この場所にピッタリの語感ではないか。ひとり悦にはいり、ハミングなどしながら、しばしあたりをトレッキング気分でそーついた。でも、日本に戻って調べると「コーヒー色」とサブタイトルが付いている。自分の勘違いに寒けがした。