Wednesday, November 11, 2009

PENDLETON

Rimg0017 冬が近くなるとチェックが着たくなる。ブラックウォッチや鮮やかなチェックもいいが、アメリカ中西部の農夫が着そうなボンヤリ柄のペンドルトン。できれば茶系アースカラーのユーズド、乾燥機でキュッと縮んだやつが欲しい。
 ペンドルトンといえばネイティブ・アメリカン風のブランケットも有名だけれど、アレッと思ったのは60年代にビーチ・ボーイズが着ていたってことだ。ストライプの半袖シャツがトレードマークだと思っていたのだが、CDを見ると、確かにサーフボード片手に全員がブルーのペンドルトン姿である。別名”ペンドルトンズ"とも呼ばれていたという話もあるくらいだが、企業タイアップだったのかもしれない。田舎っぽいシャツが、当時のカルチャーと一緒になって最新ファッションに変わったってことか。
 つい先日、街ですれ違った女性。白のペインターパンツにボーイズサイズのペンドルトン。思わず振り返りたいほどキュートだった。その後、organによく来ていただく小柄なお洒落さんも同じペンドルトンを着ていたことが判明。きっと、どこかのショップがサイズを今風にアレンジして別注で作ったにちがいない。あの大きなフラップ付きのポケットや、とんがった襟はまちがいない。
 それにしても、チェックというのは世界中に点在している柄。スコットランドはもちろん、アジアにも、アフリカにもある普遍的なモチーフのようである。時にはザズーやパンクスみたいにアンチな人たちのシンボルになってしまうところも面白い。難点はただひとつ、すぐに飽きてしまい、また別のチェックに目移りしてしまうところと、着るとやっぱり似合わないところか。それでも、夏にはやっぱりマドラス・チェックを探してしまう。結局、季節に関係なくチェックが好きなだけの話なのだ。

Friday, November 6, 2009

唐津くんち

Rimg0100-1 一昨日、パリから戻ったばかりのユカリンと一緒に、唐津くんちへ行ってきた。つい10日ほど前はマレあたりを一緒に歩いていたのに、日を置かず今度は唐津で再会。活動的な人なのだ。彼女の友人である老舗呉服屋の若旦那のお誘いで、4軒ものお宅をハシゴしてしまい、美味しい手料理を堪能した。
 まずは昼からS邸でアラの刺身。唐津くんちといえばコレだ。今まで「アラのようなもの」しか食べてなかったことが判明、その堂々とした本物の魚振りに驚いた。味は脂がのっているのにさっぱりしている。他にも生きのいい魚が一杯。シャンペンとワインで昼間からすっかりいい気分だ。続いては川島豆腐へ。いつもの入り口ではなく、豆腐工場を抜けて裏にある秘密の会場へ。ここではローストしたアグー豚をいただいた。沖縄産らしく、中国原種との交配種とのこと。優しい甘みがクセになりそうな味である。そして大将が丹精した唐津限定の新米のおにぎり。塩も付いてないのに、一粒一粒が甘く香ばしい。あまりの旨さにぬか漬けと一緒に2個パク付く。ここで、一旦ホテルのチェックインを口実に、シャワーを浴びて小休止。なにしろ、お腹いっぱいなのである。
 それにしても、豊穣の祭りらしく、皆さんよく食べて飲むし、よく喋り冗談も達者だ。博多の山笠とは明らかに違う。次のお宅へ伺う途中でようやく遭遇した曳き山も、勇壮というのではなく、子どもやお年寄りが一緒になってソロリソロリと練り歩くのだ。そのお宅では、家庭料理をいただき、何人かの福岡の知り合いにも会い、ビックリ。みんなが誰かのつながりで偶然集うのも嬉しいことだ。唐津くんち独特のかけ声「エンヤ」が、なんだか「(コレも何かの)縁や!」に聞こえてしまう。最後は洋々閣へタクシーで乗り込み、泊まり客も一緒に座敷で車座。巨大なアラの煮付けが旨過ぎる。隆太窯の太亀さんもすっかり出来上がっているようだ。
 唐津くんちは正月よりも盛大だとのこと。そういえば、伺ったお宅ではどこも最後にかならず「来年もぜひいらしてください」との言葉が添えられる。あるおじいさんは「良い年を!」とまでおっしゃった。美しい晩秋の一日が足早に暮れていった。

Monday, November 2, 2009

素足のサイズ計測

Rimg1173 オテル・ドヴィルの前にあるBHVでユカリンと待ち合わせて、マレの方角へブラブラ散歩していたらANATOMICAの店の前を通りかかった。80年代半ば初めて訪れたパリではフレンチアイビーの牙城だったHEMISPHEREへ行くのが目的のひとつだった。そのオーナーだったピエール・フルニエ氏が90年代にビルケンシュトックをメインにしたショップを開いたことは知っていたし、確かその後一度は訪れたはずなのだが・・・。 
 イソイソと店内に入ると、エレファントスツールのオリジナルが置いてある。先日Pucesで見かけたものの、つい買い逃してしまったのと同じジェット・ブラックで、いい感じに色あせている。店内はさほど広くもなく、日本のワラジや古いかすりが置いてあったりしてなかなか興味深い。しかし、目は壁に引っかけてあるオールデンのダーティーバックスに釘付けだ。サイズの有無を尋ねると、ピエール氏が地下のカーヴにストックを調べに行ってくれたが、あいにく9.5インチしかないらしく僕には大きすぎる。ブラウンなら小さいサイズがあるのだが、さて・・・、と逡巡していたら、「足のサイズを測りましょうか」とのお誘い。レッドウィング社の古いフィッティング・ゲージでムッシューじきじきに計測してもらうのもいい経験だと思って靴を脱いだ。
 僕は、「多分8.5のDかEだと思う」といったのだが、結果は8のDらしい。ところが、ムッシューは「靴下を脱げ」という。確かにちょっと厚めのソックスを穿いてはいたが、それにしても慎重な人である。気恥ずかしかったが、いわれるがままに冷たい金属のゲージに足を置くと、ムッシューはその細い指で僕の素足を台座にキチンと固定し、おもむろに「まちがいない、お前は8のDである」と宣言した。昔の僕なら、ここで観念してブラウンを購入したのだろうが、今は違う。やはり、ダーティーバックスが欲しいので、と断った。そのかわり、濃いブラウンのシェットランド・セーターをいただくことにして店を後にした。