Wednesday, July 8, 2009

ベイカーパンツ

Rimg0137-3 USアーミーのユーティリティ・パンツ、通称「ベイカーパンツ」を古着屋で見つけて、また買ってしまった。多分10本目くらいだろうか。といっても、初めて目にしたのは25年くらいも前だから、驚くほどの数ではないが、同じようなものをしつこく買ってしまう自分には少しあきれる。しかし、今回のは持っていないタイプ(脇にアジャスター付き)だったから仕方がない。ボタンの形が違うし、なによりコットン・サテンの風合いがクッタクタで、なんともいいパティーナ具合だったし、重みもある。肩凝り症で、おまけに椎間板ヘルニア持ちの身としては、重い服はいっさいオミットなのだが、こういう場合は別なのだ。高校生時分、はじめて買った古着のチノパンを見た母から「そんな菜っ葉ズボンを穿いて・・・」、といわれて以来、作業服に目覚めてしまった。今でも、外国に行って、ワークウェアを着こなした労働者を見るとつい嫉妬してしまう。でも、このパンツはもとはといえば米軍のもの。そういえば、持ってる10枚の中には血痕らしきものがうっすら残っているものもある。調べてみると、ベイカーパンツとは作業中に穿くものらしく、ということは非戦闘時に何か別のものが付着したと思いたいところなのだが、茶色に変色した跡はどうみても・・・。しかし、兵隊にとって、作業時っていつなのだろう。戦闘時とそうでない時の区別って本当にあるのだろうか。兵隊とは始終ワークタイムみたいなものではないのだろうか。何故そんなことを思ったかといえば、来月、ベトナムのホーチミンに行くことになったからだ。多分僕は、このベーカーパンツを穿いて南ベトナム陥落の地、旧サイゴンへ行くことになるだろう。