Friday, September 27, 2013

アメリカの一部。

 しばらく途絶えていたハワイアン・エアが去年だったか再開したおかげで、福岡から直接ホノルルへ行くことが出来る。自宅から空港までタクシーで20分、そこ から8時間半の楽園である。飛行時間はもちろん短いに越したことはないが、前回のマウイ島みたいに、成田での長い乗り継ぎ時間がないのが、なにより嬉しい。その時は、古い友人を訪ねることが目的のひとつだったのだけれど、今回はハワイ島の田舎町を訪ねながら、ビッグ・アイランドをレンタカーで走り 回るつもりだ。もちろん、途中で見かけたアンティック屋をしらみつぶしに襲うことは、言うまでもない。 
 初めての機内に乗り込み、席に着くと同時に気がついたことがある。前席シートの背に普通ならあるはずの個人用モニター画面が見当たらないのだ。ということは、そこかしこに設置された画面に向かい、せ~のでみんな同じ映画を観るということなのか? うーん、かなりローテクだが、楽園に向かうのだから文句は言えないのだと、いつものように酒の力を借り、うたた寝を決め込む覚悟をした。ところが、安定飛行にはいった途端、全員にiPadが配られた。なるほどこれならクッキリと好きな角度で自由に観ることができて案外悪くないかもしれない。映画のプログラムに『ホノカアボーイ』があった。今回はじめてホノカアを訪れる身としては下調べが必要なので、さっそく観ることにする。以前レンタルでなんとなく観たことがあるのだが、「倍賞千恵子はオバサンになってもラブリーだ...淡いミントグリーンの建物がなんてノスタルジックなんだろう」などと思っているうちにウツラウツラ、意識が遠のいた。
 目が覚めて時計を見るとホノルル到着まであと2時間強。さてもう少し時間を潰さねば、と今度は試しに"ハワイの仏教"を扱ったドキュメントを選んでみた。するとこれが面白くて、しばし目が釘付けになってしまった。日系人のために移入された仏教は、その人口がハワイ諸島全体の40%を占めるようになるに従い、独自の発展をとげたようだ。人々の寄付により、各地に建立された寺は当初は簡素なバラック建てだったが、徐々に立派になり日本の渋い寺とは違う奇異なデザインになる。それは「葬式と法事の為だけ」という形式だけの仏教ではなく、移民のキビシイ生活に寄り添う「ハワイ独特の仏教」へ変化したということか。この島々には先住民であるポリネシア系をはじめ、様々な人種が移民、入植している。イギリス人クック船長に発見され、その後ポルトガル人、中国人、フィリピン人、そして日本人などが上陸した太平洋のど真ん中にポッカリ浮かんだ火山島は交通の要所でもある。そしていわずもがな、ここが、まぎれもなくアメリカの一部であることを、着陸そうそう、否応なく認識させられてしまう。
 


Sunday, August 25, 2013

”やさしい社会科”

「国家」と「国」、どう違う?

さあ、そろそろ社会の話をする時間です。
難しそうだけど、実は面白い。
ひょっとすると、音楽や映画やファッションに負けず劣らず、あなたの想像力を刺激します。
2回目のテーマは、いつも当たり前に使う「国」と、つい構えてしまう「国家」という言葉。何がどう違うのでしょう。
「国家」は本当に「共同幻想」なのか?
セルジュ・ゲンズブールがテレビで500フラン札を燃やした意味。
「ローカル」と「グローバル」。
何故、聡明といわれる日本人が、ときどきひどい下痢をするのか? 
などなど、硬軟織り交ぜた話題を交えて、「国民国家」を考えましょう
たどたどしくてもいいんです、一度足を運んでみませんか。
9月6日(金) 20:00-22:00 @albus 福岡県福岡市中央区警固2-9-14 Tel:092-791-9336
参加費500円、飲み物、持ち込みOK。
(席が限られますので、予約をおすすめします)
出席する人:石井勇(autumnleaf) 、酒井咲帆(Albus)  、武末充敏(organ)  、武末朋子(organ)  、野見山聡一郎(soichiro nomiyama design) 、あなた。

Wednesday, August 21, 2013

さいたさいたチューリップのアナが…

    
 フィンランドの田舎道をレンタカーで走っていると、一瞬ポートランドの続きのような気がしてくる。つい一ヶ月前の出来事だからということもあるが、緑豊かな自然の中を対向車もなく、風景と一体となって走り続けていると、ついそんな錯覚に陥りそうになるのだ。でも、いったんフリーウェイに乗ると、事情は一変する。一直線の広い道を様々な車が100kmを超えるスピードですっ飛ばし、ひたすら目的地へ向かうだけの世界へ突入してしまう。時々、ガスステーションとサービスエリア、そしてショッピングモールがあらわれる。このシステムを世界中に広めたのはアメリカなのだろう。いや、最初のアイデアはアウトバーンだった。 国民がフォルクスワーゲンに乗って好きなところへ行けるというヒトラー総督のアイデアだったはず。ドイツ帝国が夢想し、アメリカ帝国が実現したものは、それ以外にもたくさんある。最悪なのは、原子爆弾。ナチスから逃れたユダヤ人科学者達が原爆開発を成し遂げ、日本が最初(で今のところ最後)の被爆国となった。なのに、なぜかそのアメリカの文化に憧れ続ける自分がいる。これは、ずいぶん居心地が悪いことである。
 フィスカス村で泊まったB&Bの女主人は、年のころ50歳くらい。庭の喫煙できるテラスでタバコをプカプカ吸いながら、「わたし日本のうた歌えるわよ。さいたさいたチューリップのアナが…」とぼくらを歓待してくれた。次の日だったか、彼女と若いボーイフレンドが表紙を飾るコミュニティ新聞をロビーで見つけた。どうやら彼女はこの辺りでは有名人らしい。ところで、彼女の足は車ではなくハーレーダビッドソンだ。そういえば、田舎道をドライブ中、 ハーレーに乗ったヘルス・エンジェルス風の人達をかなり見かけたっけ。この国にも、アメリカ文化に影響を受けて屈折してしまった人達がいることは、アキ・ カウリスマキの映画でもおなじみだ。ただし、「世界の警察」を標ぼうする、独善的国家としてのアメリカに批判的なのは言うまでもない。救いは、そんな政府のやり方に対して、色んな分野から「それは間違ったやり方だ」という自分なりの意見をいう普通の人々がアメリカには存在していること。これだけは日本がまだまだ真似しきれていない点だろう。写真は途中で立ち寄ったカフェ。まるでセルジュ・ゲンズブールの映画『ジュテーム』に登場する架空のアメリカン・ダイナーのようだ。