Wednesday, January 6, 2010

毛玉のシャギー

Rimg0021-1 確か中学生くらいの時だろうか、ご多分に漏れずアイビー・ルックの洗礼を受け、アメリカ東海岸の大学生ファッションに目覚めたわけだ。僕は、市内にあるアメリカ文化センターで開かれていた無料の英会話教室に、短期間だけ通っていた。先生は、まだその頃は存在していた春日原の米軍キャンプに所属する若い兵隊さんだった。ところがその先生、いまでは考えられないことだが、授業の途中でセーターの首に手を突っ込み、下に着ているボタンダウン・シャツの胸ポケットからやおらタバコを取り出して一服するのだ。それも、Vネックならまだしも、クルーネックなのだ。「なんて乱暴で、カッコイイ・・」、僕は唖然とした。それも一回ではなく、授業中多分3回くらいはその動作を繰り返していた。当然のようにセーターの首はちょっと伸びていたのだが、そこが又良かった。色は薄いグレーだったか、ちょっとダランとした感じはシェットランドだったに違いない。  
 その後、うっとりするようなアンソニー・パーキンスの着こなしや、いかにもニューヨーカーなウディ・アレンのシェットランド姿をスクリーンで見ることになったのだが、あの若い兵隊さんを越えるものではなかった。肘や脇の部分がすっかり毛玉になったセーターは、なんだか身体の一部みたいだった。そういえば、「シャギー」ってもともとシェットランド・セーターがだんだん毛玉だらけになった様子を指していたらしい。イギリスでは、そうやって親が子に伝えたものらしい。この冬は2枚のシェットランドを手に入れた。さて、立派な毛玉のシャギーに育てることが出来るのやら。その前に、問題は虫食いなのだが。