Friday, August 17, 2012

河崎さんのトークショー ”LAにいた頃はサーフィンなんかしなかった”

河崎さんがLAに住み始めたのは2000年。そこを拠点に、世界中を駆けめぐってアーティストや財団と直接交渉をして200人を超える作家の作品をTシャツとして発表した。その中には、バウハウスやイームズ、ウォーホル、バスキア、奈良美智など、あなたがきっとどこかで目にしたものもあるはずだ。そんな彼のオフィスには山ほどの本資料があった。ダブってるのもあるからと、そのうちの幾冊かを分けてもらったことがある。そんな中で、ひと目で気に入ったのがマーガレット・キルガレンの作品集だった。とてもパーソナルなタッチで描かれた木や葉っぱやバンジョーとタイポグラフィ、そして彼女が住んでいたサンフランシスコ、ミッション地区のユーモラスでちょっと悲しげな人々。それは、巨大なアメリカにひっそりと息づくコミュニティに目を向けた彼女独自のフォーク・アートだった。そんな彼女が夫であるバリー・マッギーの個展のために来日した際、河崎さんは二人を由布院に誘い、最初で最後の九州の旅が実現した。その後、彼女は34歳という若さで癌のため亡くなっている。河崎さんの自宅の居間には、温泉でくつろぐマーガレットの素描が掛けられている。手術かお腹の子という選択に、迷わず子供を生むことを選んだ彼女は、作品に登場する女達のようにたくましい。
24日(金)「夜間学校in春吉」での河崎さんのトークショー ”LAにいた頃はサーフィンなんかしなかった” がとても楽しみだ。開場では、ストリート・アートなどの貴重な作品や資料なども展示される予定。その上、来場者にはジェフ・マクフェトリッジのマグカップをプレゼントするらしい(前回に続く、太っ腹なゲストである)。ご予約はorganまで。