マウイ島のワイルクというひなびた町にある”世界に名だたる”パンケーキ屋の入り口の窓に「シャツを着ていないひと、裸足のひとはおことわり」の注意書きがあった。そこは町の食堂みたいな場所だった。一方、高級リゾート地カパルアにある店のスタッフが着ていたTシャツの背中には、そんな人でも「ノー・プロブレム」とあった。その一帯がリッツ・カールトン・ホテルの敷地なので、ラフな格好の滞在客を意識したメッセージかもしれない。
島全体が観光産業で成り立っているのだろうが、大衆食堂にドレスコードがあって、洒落た店のほうがユルイというのも不思議なものだ。映画『ティファニーで朝食を』のホリー・ゴライトリー嬢なら、さてどっちの店を選ぶだろうか?と思ったらなんだか可笑しかった。アメリカって国は色んな試行錯誤で成り立っている。