Thursday, May 20, 2010
「〜も、カマタリ...」
「YODEL」という同人誌めいたフリーペーパーを始めたおかげで、毎日が加速度を付けた勢いで過ぎ去ってゆく。6月発行予定の次号でさえまだちゃんとメドが立っていないのに、気持ちは9月号に飛びかけている。コーヒーに関するコンテンツに決めてはみたものの、知らないことだらけ。焼き付けばでもいいから、コーヒーのイロハが教われないかと、休憩時間に「手音」を訪ねた。今年初のアイスコーヒーを飲みながら、村上さんに質問してみたくなったからだ。「”コーヒールンバ”で唄われる『〜モカ、マタリ....』っていう言葉だけど、モカはなんとなくコーヒーの品種だと分かるとしても、マタリもそうなんだろうか?」。僕が西田佐知子の唄ったこの曲にクラクラしたのは中学生だった頃。鼻にかかった独特の節回しが鮮烈で、リズムがエキゾチックだった。ところが、唄っている内容が摩訶不思議。まだ、ちゃんとしたコーヒーなどほとんど飲んだことがなかったわけで、まるで「判じ物」だったが、かえってそれも惹き付けられた理由だったような気がする。その頃日本史の授業で暗記したばかりの藤原鎌足(もしくは藤原釜足!)のせいなのか、「〜も、カマタリ...」と聞こえてしまったのも仕方がないことだった。「マタリっていうのは、コーヒーの原産地のひとつイエメンに昔あった港の名前です」と、村上さんから聞いて、積年の謎がようやく解けた思いがした。そのうえに「よかったらコレを読んで見てください」ということで、「こうひい絵物語」という本を貸してくれた。版画と文章でコーヒー小史を学べる本のようで、読むのが楽しみだ。